伊勢神宮の名前は知っているけど…神社・神宮・大社の違いってなに?

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伊勢神宮の名前は知っているけど…神社・神宮・大社の違いってなに?

初詣、結婚式、お宮参りや七五三など、

足を運ぶ機会が多い場所、それが神社です。

日本人にとって非常に身近な存在とも言えますが、

この神社について良く知らないままお参りしている方、

実は多いのです。

若い方は特にあまり知らないのではないでしょうか。

なかなか詳しく知る機会がないから、やむを得ませんが、

日本人なら神社について知っておいて損はありません。

そこでこれから神社の呼び名の違いから、

そもそも神社とは何かまでお伝えてしてまいります。

できるだけ簡単に説明しますので、ご安心を。

それではまずは呼び名の違いから。

なぜ神社は伊勢神宮、出雲大社など、

様々な呼ばれ方があるのでしょうか。

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(1)「神宮」と呼ばれる理由は?

名前に「神宮」とつく場合、そこには「主に」皇族の

ご先祖さまがまつられています。

初代天皇の神武天皇をおまつりする橿原(かしはら)神宮、

明治天皇をおまつりする明治神宮の他、伊勢神宮が有名です。

伊勢には神武天皇の先祖神である

天照大御神(あまてらす おおみかみ)

おまつりされています。

第二次大戦後、GHQの方針により神社が国や皇室の

管理するものではなくなって以来、どの場所でも

神宮を名のれるようになりましたから、

皇族のご先祖さま以外をおまつりする神宮もあります。

神宮は他に熱田神宮、霧島(きりしま)

神宮、赤間(あかま)神宮、香取神宮などがあります。

(2)「大社」と呼ばれる理由は?

大社とはもともと日本の神話の中で、国作りを行ったとされる

大国主命(おおくにぬしのみこと)をおまつりする出雲大社のみを

指すものでしたが、明治維新後、格式が高い

全国から評価された神社でも使われるようになりました。

さらに神宮と同じく、第二次大戦後は無名の神社であれ大社を

名のっても良くなりました。

ただ神社よりは規模が大きい、もしくは全国にいくつもある

神社の本社が大社を名のる傾向にあります。

出雲大社以外の大社の例として熊野大社、杵築(きづき)大社、

諏訪(すわ)大社、伏見稲荷(ふしみいなり)大社などがあります。

(3)「神社」と呼ばれる理由は?

もともと「神社」とは日本の神さまをおまつりする場所

つけられました。

そのため神さまをおまつりしている点をのぞけば、

今も昔も神社を名のるための特別な条件や基準はありません。

この理由から皇族や大国主命をおまつりしていていても、

神宮や大社と名のらない神社が全国にたくさんあります。

神社の例として大神(おおみや)神社、宇治上(うじがみ)神社、

花窟(はなのいわや)神社、金毘羅(こんぴら)神社などがあります。

なお「神宮」や「大社」と呼ばれる場所であっても神さまを

おまつりしているため、神社の一部と考えられています。

以上が呼ばれ方の異なる理由です。

おまつりしている神さまにより呼び方を変えていた時期も

ありましたが、日本の制度の変化とともに神宮や大社と

名乗れる基準もゆるやかになり、現在は実質、

違いがなくなっている大社や神社も多々あるってコトです。

次はもう少し神さまの世界に足を踏み込み、

皇族をおまつりする神宮と、国作りを成しとげた大国主命を

おまつりする大社、格の違いはあるのかをお伝えしてまいります。

大社と神宮ではどっちが格上とかあるの?

大社と神宮ではどっちが格上とかあるの?_R

結論から先に言ってしまえば格上、格下と順番をつけようと思えばできます。

さらに現時点では「神宮は大社より格上」、つまり立場が上とも言えます。

なぜなら、

大社におまつりされている大国主命は日本の「旧統治者」

神宮におまつりされている皇族は大国主命から日本をたくされた「現統治者」

と、解釈できるからです。

その根拠は『古事記』『日本書紀』におさめれている、

日本の神話の中にあります。

どれくらい以前なのか正確には分からないくらい、

はるか昔、大国主命は他の神さまとともに、出雲の地に

現在の日本の基礎である大国をおつくりし、

主として長く長く治めていました。

この出雲の国を神々の世界からずっと眺めているうちに、

天照大御神は欲しくなってしまい、ある時、国をゆずるよう使者を

通して大国主命に呼びかけました。

最初は認めてもらえませんでしたが、長いやり取りの末、

ついに大国主命は天照大御神の使者に「この国をゆずる」

お伝えするにいたります。

以来、この国、つまり現在は日本と呼ばれる国は天照大御神と、

この女性の神さまをご先祖さまとする皇族が

おさめる場所となった、と神話から読み取れます。

それゆえに現在の日本にとっては「国をゆずられ、

今日でも公式に日本の象徴、つまり顔と認められている皇族を

おまつりする神宮の方が、お国の基礎を築かれたものの、

そこを治める権利をゆずった大国主命の大社よりも立場は上」

言えるのです。

とはいえ「それじゃあ、氏神さましかおまつりしていない、

近所の小さい神社はあまり偉くないのかぁ」とか

「大社や神社より神宮の方が価値ある」なんて

思わないでくださいね。

どの神さまも人にとっては等しく尊く、その神さまを

おまつりしている場所はどこもありがいものなのです。

その理由をこれからご説明いたします。

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簡単にわかる神社と神宮の違いを教えてください

簡単にわかる神社と神宮の違いを教えてください_R

ここまでに説明した神社と神宮の違いを要約すると、

「主に皇族をおまつりしているかいなか」です。

ここからはもう少し両者の違いを明確に、

なおかつ簡単に分かっていただくために、

どの神さまも神社も等しく尊い理由を説明してまいります。

そもそもなぜ神社が存在し、そこに神さまがいらっしゃるのでしょうか。

神社も神さまの創造も古代の日本人が持っていた宗教、

神道(しんとう)が出発点となっています。

神道ではこの世の何もかもに特別な存在が宿っていると

考えられており、その中でも人々が「おまつりしたい」あるいは

「おまつりしなければ」と思った存在を、

特別な場所を用意して祈りをささげてきました。

この特別な存在が神さまと呼ばれ、

特別な場所が神社や神宮と呼ばれました。

つまり神さまも神社も、古代の日本人の宗教、単純に言えば

「この世の仕組みのとらえ方の一つ」から誕生したのです。

古代の日本人は神さまを「畏れ(おそ)多いもの」

「ありがたい存在」と考え、特別な場所を用意し、

お住まい願ってきました。

その考えは現代でも変わりません。

今日でも神社での無作法なふるまいは許されていませんよね。

境内に続く参道は神さまの通り道なので中央を歩かない、

神さまにお参りする前に水で体を清める、参拝の際は

二礼二拍一礼するなど、守らなくてはならない作法が

いくつもあります。

日本の総氏神と呼ばれる天照大御神はもちろん、

お国をつくられた大国主命や、ご近所の小さな神社で

地域の皆さんをお守りしている氏神さまも、

今も昔も多くの人にとってはお参りする価値のある、

ありがたい存在と考えられ、現在まで皆さんの側にあり続けています。

「でも家の近所にある小さな神社の名前も知らない神さまより、

伊勢とか出雲の神さまの方が偉そう」と思われた方。

ここで神さまを人に置き換えて考えてみましょう。

「あの老人は昔、仕事のできる人だったが、今は何もできないので、

後を継いだ息子の方が価値が高い」とか、「彼は成績が優秀だから、

足の速いあの生徒より価値がある」なんて考え方は

果たして正しいでしょうか?

ましてや相手は神さまたちです。神話や数々の伝説を生み、

現在でも不思議な体験談のつきない神さまたちは、

いつの時代も人々に「何か」を感じさせ、「畏れ多い」とか

「ありがたい」とか考えさせてきた存在です。

その価値や真価は人に測れるものではありません。

そのため神さまの世界にもう少し踏みこんだ上で、

簡単にまとめるならば、神社や神宮は

「神さまや神社を知るために頭の中では順位を考えても良いけれども、

心の中では順位をつけるべきではない方たちがお住まいに

なっている場所であり、神宮はその方たちの中でも皇族を

中心におまつりしてきた歴史があり、神社は皇族から石や

空気まで、あらゆるものをおまつりしてきた歴史のある場所」と言えます

まとめ

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様々な娯楽や情報にあふれた今日、神社や神宮の存在感は

昭和やそれ以前の時代より薄れてきています。

ですがかつての日本人にとって神さまは身近な存在であり、

神社参りは時に「一生に一度は伊勢参り」と言われるほどの

娯楽でもありました。

江戸時代に出版された「東海道中膝栗毛」は

厄落としをしようとお伊勢参りに出かける二人の若者を

面白おかしく描き出してベストセラーになっています。

これまで神社が近くて遠いものだった方は、

あらためてご近所の神社を散策してみてはいかがでしょうか。

神社や神宮、大社は皆さんを神さまと

つなげてくれるだけではありません。

今よりもっと神さまが身近だった時代のご先祖さまと

交流できる場所でもあります。

神社の意義を意識した上で足を運び、

ご先祖さまの残された遺産や思いにふれたなら、

何も知らずに訪れていた頃には気づかなかった発見が

あるかもしれませんよ。

神社に興味を持たれた皆さまを、神さまもご先祖さまも

きっと喜んでお迎えしてくれるでしょう。